
皆さんは、子どもたちの「挨拶(あいさつ)」について、どう考えますか?
子どもたちには積極的に、挨拶をさせたほうがいいのか、それとも、親や友達、先生への挨拶だけ、しっかり出来ればいいのか。
今回の記事は、子どもの挨拶について、書きたいと思います。
挨拶について、考える1つのきっかけになりましたら、幸いです。
マンション内で「子供と挨拶を交わさないでください」
神戸新聞の投書「理解に苦しんでいます」は2016年11月の記事ですが、記憶に新しいですね。
要約すると、以下です。
- 1人の親が、マンション内で、自分の子どもが挨拶をすると、相手が、マンションの住人であるとは限らないため、マンションでの挨拶は禁止というルールにしてくれ、と自治会に提案
- その提案に対して、マンションに住む年配者まで、「子供に挨拶しても、無視されて嫌な気持ちになるから、そのルールに賛成」と
- 結果、そのマンションで、挨拶禁止が決定
皆さんはこのニュース、覚えていますか?
どう感じますか。
挨拶をしない子供たちが激増している
次は、私自身の経験ですが、毎朝、私が保育園に子を送る役割を担っています。我が子に、「挨拶しようね」と口で言うだけではいけないと思っていて、保育園への登園中は、全ての人に挨拶します。
- 近所のおじさま、おばさま
- 先生、職員
- 保育園の保護者さん
- 園児
園児は、だいたい3人に1人は、「おはよう」と返してくれます。
しかし、4年間ぐらい続けている習慣ですが、「〇〇くん、おはよう!」と言っても、3人に2人は、4年間変わらずに、何も返しません。本当ですよ。
(まぁ、、驚くことに、近所のおじさま、おばさまの中でも、5人に1人は、挨拶を無視してくださいます・・
私は、無視されても、なんとも思いません^^挨拶を返すかどうか、は相手の課題ですからね(アドラー心理学))
ケンタッキー州のバスの運転手たちの取り組み
今日読み終えた本に、興味深い話があったんです。
ケンタッキー州のルイビル市という所での話です。
2012年7月に、バスの中で、3人の乗客が口論になり、関係のない17歳の男性が1人、射殺されてしまったんです。
そこで、ルイビル市長は、バス会社に、「状況の改善」を指示したんです。
バスの運転手さんたちは、自分たちで対策を考えて、
「安全大使」(セーフティーアンバサダー)を名乗ります。
何をしたと思いますか?
超簡単なことです。
バスに乗ってくる1人1人の目を見て、「ハロー」と必ず言うようにした、それだけのことです。
実際に数値で何%の犯罪が減った、という話ではないのですが、確かに、街は変わったようです。
それは、
『匿名である状態が、無くなっていったから』(重要)
だそうです。つまり、顔が知れると、悪さがしづらくなる、ということですね。
しかし、この章で、更に言いたいことは、
『一番、変わったのが、バスの運転手さんたち』
だそうなんです。
自分たちで「安全大使」と名乗り、街の平和に貢献している、その自負、誇り。
そして、挨拶を繰り返すことによる、社会の一員である自覚。
これらが、バスの運転手さんたちの生きがい、幸福感を、大きく変えたそうなんですね。
(「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」(ケリー・マクゴニガル著)より)
挨拶が子供たちにもたらすもの
この実話を、「子どもたちの挨拶」に置き換えて考えてみましょう。
子どもたちが、マンションの中でも、住む街の中でも、すれ違う住人に、毎日毎日、「おはよう!」「こんにちは!」を絶えず、言い続けたとき。
どんな未来が待っているでしょうか?
まず、先ほど「重要」としましたが、「匿名である状態が、無くなっていく」ことは間違いなく、犯罪が減ることに繋がる可能性は大きいですね。
次に、挨拶を毎日毎日繰り返した子供たちは、地域の大きな変化に貢献していることは、はっきりと実感するのではないでしょうか。
園児や小学生の段階で、自分たちの住む街を、良くしていることを実感できる。
生きていることの実感、自信、勇気。
これらが、子どもたちに確かにもたらされると思いませんか?
それでも、「変に地域の人と距離感を縮めると、自分の子供に危害が及ぶ可能性が」と、お考えの親御さんがいたら、もちろん、無理して、賛同いただかなくて構いません^^
この記事を読んで、
「そっか!子どもたちが挨拶を率先してするようになると、子どもたちの精神状態にまでプラスになるのか!」
と思ってくださったかたがまず、少しずつ、実践をしてみていただければと思うんです。
親御さんは、お子さんに、どう働きかけたらいい?
最後に、挨拶が当たり前のようにはっきりと出来る子に育てるために、親御さんは、どういう働きかけをしたらいいか、をここで一緒に考えて終えたいと思います。
かくいう私自身も、2才と6才の息子に、挨拶を無意識のうちに出来るようになってもらいたく、毎日、頑張っている1人ですから、発展途上です
(^ω^; )
そんな私が、少なくとも、息子らの挨拶の習慣のために、やっている働きかけを箇条書きします。
- 「あなたが挨拶したら、お互い気持ちがいいよね!」と挨拶の「意義」を伝える
- 相手が挨拶してくれて、こちらの挨拶が相手に届いていない(小声)と感じたら、しゃがんで、「挨拶は、相手に、はっきり届いてこそ、意味があるんだよ」と必ず伝える
- 自分が率先して、地域の人も含め、挨拶をするようにしている
- 相手の挨拶に、息子らがはっきりと挨拶で返せたとき、「いいね」と軽く褒める
(おおげさに褒めると、親のために、挨拶をするようになってしまうので)
- 意識して、挨拶をするよりも、すれ違う人に、無意識に「おはよう!」って言いたくなるような、そんな人付き合いをしよう、と伝えている(他人に関心を持つことの大切さ)
今回の考え方は、『たった1人の挨拶が地域を幸せにする』と名付けましょうか☆
執筆:田村恭佑
(人間関係メンター、弁理士、経営コンサルタント)