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『商標』は、私たちのビールの選び方で、理解できる?

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鈴木えりな 『最近、”商標”という言葉をよく耳にしますが、”商標”って何なんでしょうか。個人事業主やベンチャー企業でも、商標って取る必要はありますか?』 たむきょん弁理士 『私も、商標の仕事をしていますが、世の中的に特に...

鈴木えりな
最近、”商標”という言葉をよく耳にしますが、”商標”って何なんでしょうか。個人事業主やベンチャー企業でも、商標って取る必要はありますか?

たむきょん弁理士
『私も、商標の仕事をしていますが、世の中的に特に最近、”商標”という言葉がよく使われるようになったと感じています。』

鈴木えりな
『”商標”=”名前の専売特許”、程度なら何となく理解しているんですが・・・』

たむきょん弁理士
『そういう時は、”世の中に商標が無かったら・・”と想像すると、分かりやすいかもしれません。

 

【1章 ビールの商品名が登録商標だから、私たちは美味しいビールを選び続けられる】

鈴木えりな
『例えば、、私の三回のご飯よりも大好きな”ビール”で商標が無かったら・・

たむきょん弁理士
『そう、それを例えようと思ったんです。えりなさんは、”缶ビール”と聞いて、パッと想像する、好きな銘柄、商品、ありますよね?』

鈴木えりな
『あります!

たむきょん弁理士
じゃあ、もしスーパーのビール売り場に行ったら、商品名もラベルも無く、”ビール”とドーンと缶に書いてあるだけで陳列されていたら、どうする?

鈴木えりな
全部同じ味が保証されているなら、テキトーに手に取りますが、そうじゃなくて、色んなメーカーが”ビール”を販売しているなら、あの時美味しかったビールをもう1度飲みたいと、思っても、、次にまた同じビール買えるか、同じ味に出会えるか、分かりませんね(涙・・)

たむきょん弁理士
『つまり、”商品名”が、”味を保証”してくれていて、消費者に対して”目印”を与えてくれているんだよね!』

鈴木えりな
『そうですね。商品名が書いてあるなら、、、じゃあ、私の大好きな”スーパー一番ラベル”を買おうっと♪』

たむきょん弁理士
『ちょっと待って!その同じ商品名で、もし、、、複数のビールメーカーが販売していたら、、どうするの?

鈴木えりな
『えー!そんなこと、あるはずないじゃないですか・・だって・・・』

たむきょん弁理士
『いやあ、”同じ商品名で商品を販売してはいけません”というルールは実は存在しないよね?ここで、”商標登録”という制度が、意味をなしてくるんです。』

鈴木えりな
『そういうことですか。つまり、自社の商品の味を保証して、またこの商品を目指してきてもらうために、”商品名”を独自に付けるんだけど、その名称を他のメーカーに真似されないためにも、”商標登録”を検討する、ということですね。でも、それって、そこまでの大きな市場で販売する大企業だけの発想、というかリスクヘッジなんじゃないでしょうか??

 

【2章 個人事業主やベンチャー企業にとっての”商標登録”の必要性】

たむきょん弁理士
個人事業主やベンチャー企業にとっての”商標登録”の必要性は、今度は、”いつ何時訴えられるか、分からないから”という視点になると思います。せっかくお気に入りの商品名を付けて、1年ぐらい販売をしていたら、ある日、物々しい”内容証明”が届き、中身は”当社の商標権を侵害するから直ちに名称の使用を停止し、これまでの売上額を報告してください”という警告状だった、というご相談は、1年に1,2件ではありません。中には、”当社から商標権ライセンスを受けている表示さえ、してくれたら、ことを荒立てない”と書いてあり、その通りにした後に、”高額のライセンス料を後日求められる”危険性のある、少し悪質とも思えるケースもあります。

鈴木えりな
『そんな・・。だって、個人事業主やベンチャー企業がたまたま少し登録商標と似た商品名を使っていても、そんなに大企業にとって、ダメージ、ないですよね・・?

たむきょん弁理士
『するどい質問です。そここそ、”商標”の本当の価値なんです。”商標”そのものには、実は大きな価値はありません。しかし、大企業がたくさんの広告費や開発費を注いで、ある意味育て上げた”商標”、つまり”ブランド”は、その品質を保証する必要があり、他人の乱用により、そのブランドの価値が”薄まる”ことを、とにかく防ぎたいんです。個人事業主やベンチャー企業であっても、残念ながら、容赦はされません。(大企業には、自社の商標権の侵害をひたすらリサーチして、警告状を送る、ということを定期業務にしている部門、もしくはアウトソーシングが存在するほどです)』

【3章 一般名称から、独自のサービス名称へと発展させる土台】

鈴木えりな
『少し、危機感が沸いてきました・・中小企業やベンチャー企業にとって、もう少しポジティブな視点での”商標”の意義ってないんでしょうか?

たむきょん弁理士
例えば、民間の資格に、”お片付け指導師”という資格や団体が、すでにあるとしますよね?しかし、例えばとても簡単に取れる資格で、資格保有者の能力がピンキリだったとします。ある時から、”お片付けを高いレベルで指導できる資格”として、必要な能力や知識、指導力を自分たちなりに独自に組み立てて、新しい資格、”お片付け上級コンサルタント”という資格を作るとしますよね。その資格名称を、個人事業主のかただったりベンチャー企業だったりが商標登録し、今後、少しずつ、その資格名に価値づけをしていき、認知を広げて、ひょっとしたら、”お片付け指導師”という資格のかたよりも、”お片付け上級コンサルタント”という資格のかたを目当てに探したほうが、品質の高い指導をしてもらえるらしい、という噂になったとき、どんなに小さな団体、組織であっても、その商標、ブランドに価値付けをでき、大手よりも十分に選ばれる存在になる可能性があるんです。そして、自分たちだけがその”お片付け上級コンサルタント”と名乗っている段階から、今度は、能力を満たした人に対して資格付与などをビジネスにしていけば、もっともっと、商標の価値は広がり、高まりますよね。個人事業主やベンチャー企業にとって、危機感だけではなく、そういう、発展的なパワーも期待していただけるといいかもしれません。
(※”お片付け上級コンサルタント”は、実際は商標登録は難しいかもしれません。サービス内容を、そのまま名称化しただけなので、商標としては認められにくいのです。過去のこちらの記事は、その点で参考になるかもしれません)

鈴木えりな
『理解できました。まずは、自社の名称を、あとで、変えざるを得ない状況を避けるため、という目的意識が1つあって、それ以外でも、小さな組織であっても、そこから信用が乗っかれば、十分にその名称が良いブランドになりうるから、という目的意識もあるわけですね。』

 

(冒頭のイメージ画像は、「SEOUL navi,韓国ビール飲み比べ!~2013年編~」より引用

※ブログ監修の田村(弁理士)は、商標・著作権・不正競争防止法など、知的財産に関する小さな問題点でも相談に乗っておりますので、お気軽にこちらの当所サイトを覗いてください。

※当所の、商標サービスサイト⇒こちら

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記事をお読みくださり、ありがとうございます。

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みぎのうで知財事務所(代表 田村)

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