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『商標権の侵害』と言われてしまったときの対処法

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「知的財産権の侵害をされた」や「知的財産権の侵害だと警告を受けた」という段階からの相談が、2022年ぐらいから少しずつ増えています。
その中でも特にケースとして多いのが「商標権の侵害」です。
今回、「商標権の侵害」という警告を内容証明で受けてしまった、というような場合に、どのように対処したらいいか、を分かりやすく記事にしたく思います。

こんにちは、弁理士のたむきょん(田村)です。

もうすぐ「知的財産」を題材にしたドラマが始まりますね!僕の好きな芳根京子さん主演『それってパクリじゃないですか?』(日テレ 水22時~)。

「知的財産」が題材のドラマが放映されるように、日本中で、今や「知的財産」というものが身近なものになってきています。

知的財産が身近なものになってきた、ということは、その分、知的財産に基づくトラブルも増えていきます。それは知的財産を持っている人や会社の意識が高くなっていけば、模倣に対して、より鋭いアンテナを持つようになっていることを意味するからです。

実際、「知的財産権の侵害をされた」や「知的財産権の侵害だと警告を受けた」という段階からの相談が、当所でも2022年ぐらいから少しずつ増えています。

その中でも特にケースとして多いのが「商標権の侵害」です。

今回、「商標権の侵害だ」という警告を内容証明で受けてしまった、というような場合に、どのように対処したらいいか、を分かりやすく記事にしたく思います。

 

このようなかたに読んでほしいです♪

  • ライバル会社から、「商標権の侵害だ」という警告を受けてしまった
  • 「商標権の侵害だ」という内容証明が届いて、対処法を知りたい
  • 逆に、商標権をお持ちで、模倣している他社に警告をしたい

「商標権の侵害」とは、どういう行為のこと?

 

 

『どういう行為が、商標権の侵害に該当するんですか?』

『まず、商標権というのは、大きく2種類あります。

  1. 文字列からなる商標
  2. 図形の商標(ロゴ商標などと通称します)

そして、商標権は、1つの文字列で商標登録を認めてもらえれば、あらゆる商品分野で独占できるのではなく、商品とサービスが、45個に分類されていて、それら1つ1つ個別に、商標権を取得する制度となっています。

それで、商標権の侵害に当たる行為とは、簡単に言うと、以下のような行為です。』

登録商標と類似する名称やロゴを、その商標が登録されている商品・サービス分野で、その権利者に無断で、使用する行為

『侵害に当たってしまうのは、私がわざと真似している場合に限りますか?』

 

『いいえ、商標権というのは特許庁によって広く公示されていますから、”登録商標と似ているとは知りませんでした”という言い訳は出来ません。』

 

『じゃあ、仕事じゃなく、例えば、個人的なブログの中に登録商標に当たる言葉を記載するのでも、ダメでしょうか?』

 

 

『仕事でなければ、基本的には商標権の侵害には該当しません。
でも、例えば、えりなさんが、メルカリに、ルイヴィトンの正規品ではないものに、”ルイヴィトン柄のハンカチ”と書いて出品してしまうと、仕事のつもりがなくても、ルイヴィトンのブランド力にあやかろうとしている行為なので、商標権の侵害に該当してしまいます。
仕事かどうか(”業として”という表現なのですが)の境目は確かに難しいですね。』

 

セルフチェック!あなたは本当に商標権の侵害に当たるか?

 

『もし、私が突然、”商標権の侵害”であるとの警告を受けてしまった場合、自分で侵害に該当するかどうかの検討をすることは可能ですか?』

 

『可能だと思います。以下に判断の流れをまとめてみましたので参考にしてください。』

商標権侵害の警告を受けたときの判断の流れ

商標権侵害の警告を受けたときの流れ図

『なるほど!上の図だと、弁理士さんなどの専門家に相談する前に、特に自分自身でまず考える必要があることは、どんなことですか?』

 

『以下の視点で、少し考えてみてください。それから私たちに相談いただくとよろしいかと思います。』

  1. そもそも、対象となる名称orロゴを、あなたは、仕事や収入のために使用している?
    ※完全に個人的だったり趣味のためだったりしても、「商標の使用」に該当する可能性はあります
  2. 対象となる商標権の商標は、名称?ロゴ?
    ※ロゴの場合、あなたの使用と、本当に類似しているか確認が必要
  3. 商標権の商標を特定できた場合、本当に同一?または類似?

『”きっと自身は商標権の侵害をしていない”と思える場合でも、やっぱり警告を受けたら、私たち弁理士や弁護士に相談をしたほうがいいと考えます』

 

 

商標権の侵害に当たらない場合の対処法

 

『自分自身での検討や弁理士さんとの相談の結果、相手の商標権の侵害に当たらない、と分かった場合、その後、どうしたらいいのでしょうか?』

『ケースバイケースですが、以下どちらかで検討するとよろしいかと存じます。』

  1. 警告書にリアクションしない。放置する
    ⇒ただし、相手方には、”無視された上で、模倣を続けられている”と感じさせる可能性があり、更なる警告・攻撃をしてくる可能性はあります
  2. 警告書に回答をする。模倣や侵害に該当しない理由を正確に回答する
    ⇒相手が納得すれば、これで警告・攻撃が終わる可能性は高まります

 

商標権の侵害に当たる場合の対処法

 

 

『分かりました。それでは逆に、自分自身の判断や、弁理士さんの見解で、相手の商標権の侵害に当たる可能性が高い、となった場合、私はどのように対処したらよろしいでしょうか?』

 

一番大切なことは、”すぐに、対象となる名称orロゴの使用をストップすること”です。例えばSNSなどで使用していた場合、自身の意図している以上にこれからも広まる可能性もあります。
続いて、相手方が警告書の中で求めていることに、なるべく正確に応じることをお薦めします。警告書では、以下の全て、またはいくつかを求められることが多いです』

  1. 名称orロゴの使用を停止してほしい
  2. 名称orロゴをWebやSNS上から削除してほしい
  3. 使用を停止したこと、Web上から削除したこと、これらを、メールで報告してほしい
  4. (強気の企業の場合)これまでの、その名称orロゴを付した商品やサービスの販売数量を報告してほしい
    ※「4.」は初めての警告書なのであれば、素直に応じなくても、その後の争いで不利になる、ということはないかと存じます。

『特にお伝えしたいのは、警告書を送ってくる、ということは、相手方は、”感情的にも、あなたの行為を好ましく思っていない”ということを、しっかり理解しましょう、ということです。
つまり、相手の”怒り”や”不満”を想像して、気持ちを静めていただくよう、こちらも努力や工夫をしたほうがいい、ということを理解しましょう。』

警告書を送ってくる、ということは、そもそも感情的にも怒りの感情がそこにあることを理解しましょう

 

今後、「商標権の侵害」と言われないための対策

 

『なるほど~。私だって、仕事や事業をしていく上で、敵を作らずに、やっていきたいです・・
もし警告を受けてしまったら、今後、同じことをしたくない、されたくない、と思ったら、私はどのような努力をしたほうがいいでしょうか??』

 

『そうですね。大切な心がけですね。これを”失敗”と捉えれば、1つの失敗から、学んでいかなければ、いつまでも余計な労力やコストを、費やしていかなければいけないことになりますからね!
今後、ライバルから、侵害だと感じさせない、勘違いさせないために、以下を心がけるとよろしいかと存じます。』

  1. 知的財産について、気軽に相談をできる専門家がいるといい
  2. オリジナル商品であれば、商標登録をセットで検討しましょう
  3. 自身の商標ではない名称やロゴを使用するときは、”J-Plat-Pat”というサイトで、商標登録されていないか、調査をしましょう(難しかったら、少なくとも当所は安価に調査のみを承ります)
  4. 当たり前ですが、他社の売れている商品の模倣はやめましょう

 

商標登録その他知的財産などについて、お気軽にご相談ください ⇒ お問合せはこちら

執筆:田村恭佑
(認知心理学×弁理士×経営コンサル)

記事をお読みくださり、ありがとうございます。

商標・知的財産、民間資格の設立、人間関係、これらで、ご相談いただけることがありましたら、是非お気軽に、こちらからお問い合わせください。近日中にご返信いたします。

みぎのうで知財事務所(代表 田村)

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