こんにちは、弁理士のたむきょん(田村)です。
2022年は、たいへん多くの「商標登録」のご依頼をいただきました。
商標登録が2度目以降のお客様と、「初めて」のお客様は半々ぐらいです。「初めて」のお客様とは「商標登録を何のためにするのか」という「動機」の部分も十分にコミュニケーションを図るようにしています。
今回は、「商標登録は何のためにするのか」という点を、これから商標登録をお考えのかた向けに、分かりやすく解説したいと存じます。
目次
このようなかたに読んでほしいです♪
- 屋号や自身のブランド名の商標登録を漠然と検討され始めているかた
- 周りから「商標登録しておいたほうがいいんじゃない?」と助言された
- 商標登録は未だ考えていなかったが、お気に入りのブランド名や肩書きがある
そもそも「商標登録」ってなに?
資格名の登録商標の実例3つ
- 『加圧インストラクター』(第502990号)
- 『カラーライフコーチ』(第5111092号)
- 『サイト診断士』(第5285955号)
ロゴマークの登録商標の実例3つ
「焙煎士」ロゴ登録商標
(第5460429号)
「部活動インストラクター」ロゴ登録商標
(第6156420号)
「対話コーチ」ロゴ登録商標
(第6156420号)
- 「焙煎士」ロゴ
⇒⇒ワンポイントマーク+文字列 - 「部活動インストラクター」
⇒⇒図柄と文字列が一体化している - 「対話コーチ」
⇒⇒文字列の一部が図案化している”ワードロゴ”
商標登録をしない場合と、する場合の比較
商標登録をしない場合 | 商標登録をする場合 |
他人が類似する名称を作っても文句が言えない | 他人が類似する名称を使い始めたら、「辞めてください」とはっきりと警告できる |
その名称を維持するのに費用は抑えられる | 名称を商標登録すれば、5年ごとに更新が必要で費用が発生する(当所の場合、登録そのもの:10.8万円、その後5年間の更新:3.6万円)※10年更新を最初に選択することも可 |
類似する名称がどんどん生まれる可能性があり、自身の名称の認知や差別化が促進されない | 同一のみならず、類似する名称すら、阻止できるため、自身の名称の認知や差別化が促進されやすい |
他人が、自身の名称に類似する名称を商標登録してしまった場合、ビジネスの途中で名称の変更を強いられる | 認知度の高まってきた自身の名称を、永久的に変更することなく独占使用できる |
実際、商標登録をどんな目的でしている人が多い?
- 日本中で、自身のお気に入りの名称を独占使用したい
- 自身がビジネスで名称を使用することが、他人の商標権の侵害に該当したら困る(=ビジネスの途中で名称を変更したくない)
- 通販サイトや小売店の要請や推奨で、商品の名称を商標登録したほうがいい
お薦めしない商標登録
- 同じ商品分野、サービス分野に、同一か、または類似する登録商標が存在する
- 商品の特徴やサービスの特徴を、単に名称化したに過ぎない
例えばWebサイトの最適化をアドバイスする民間資格の資格名に「Web最適化コンサルタント」という名称は、サービス内容そのものを単に名称化したに過ぎないため、商標としてふさわしくない
『もし、このような名称の商標登録を、特定の個人に認めてしまうと、これまで、独占目的じゃなく、普通にビジネスで使用していた多くの企業、個人まで、突然その名称を使えなくなってしまい、ビジネスに混乱をきたしてしまいます。だから、”商品やサービスの特徴をそのまま名称化したに過ぎない名称”は、商標登録が認めてもらえないことになっています。』
商標登録のメリット
- やっぱり1位は”将来、認知度が高まってきたあなたのブランド名、資格名、商品名、屋号などを、変更する事態が発生せず、ずっと使えます
- 2位は、その素晴らしい商品名、ブランド名を、あなただけが独占してビジネスに使える、更には類似するブランド名すら、排除できます。その結果、認知度が加速度的に高まりやすいです
- 3位は、”より良いビジネスプラン”に繋がる、ということです。令和の時代は、どんどん商品のライフサイクルが短くなってしまっています。あなたも、今、販売を始める商品やサービスを、3年後も提供しているとは限りません。でも、商標登録は5年間や10年間、登録をしてもらいます。目の前の流行りだけではなく、5年後や10年後を想像して、商品展開やサービス構築を目指すことは、ビジネスプランを立てる上で、とても大切なことです
当所へのご相談について
※以下「弁理士」というところが、私に当たるイメージです
お読みくださり、ありがとうございました。
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執筆:田村恭佑
(認知心理学×弁理士×経営コンサル)