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民間資格を作る!「商標登録」する場合と、しない場合の違い

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「民間資格」を作ることへの世の中の関心の高さが伺えます。
今回は、「民間資格を作る上で、商標登録をする場合としない場合の違い」を、記事にしたいと存じます!

こんにちは。弁理士の田村(たむきょん)です。

2020年もあっという間に残り1ヶ月ですね。

新型コロナのこともあり、この1年はシンプルな1年になったと振り返っています。

しかし、そんな1年を「蓄え」の1年と捉えて、多くのかたが、「自分なりの何かを作る。始める。」という発想に変えてらっしゃる、とも感じる1年でした。

当所にも、「自分なりの何かを作る」一貫として、「民間資格」を作りたい、というご相談を多くいただいております。

実際、3日にお一人ぐらいのペースで、Webかお電話でお問合せをいただきます。

「民間資格」を作ることへの世の中の関心の高さが伺えます。

今回は、「民間資格を作る上で、商標登録をする場合としない場合の違い」を、記事にしたいと存じます!

 

「民間資格を作りたいです」というご相談が2020年は増えています

民間資格の例

民間資格の例

(上記はユーキャン「キレイ・癒し講座一覧」より引用)

『上記の表の資格は、耳にしたことはあります。”民間資格”ってどんなものを差すんですか?』

『国家資格は、分かりますよね。国が発行している資格で、国の定めたカリキュラムや試験を通過したかたに付与される資格のことです。私の、”弁理士”や、そのほかだと、”中小企業診断士”なども、国家資格ですね。

一方で、企業や社団法人、財団法人、その他の団体が発行する、それらの団体独自の基準を満たした者に付与される全ての資格が、”民間資格”に当たります。

ユーキャンなど有名なサイトで検索できるものが、民間資格の全て、とお考えになるかもしれませんが、実際は、自分でも新設できます。
前述しましたが、2020年になってから、私も、3日にお一人ぐらいのペースで、”民間資格を作りたい”というご相談をいただいているんです。
2019年と比較すると、とにかく今、”民間資格を作る”ということがホットなようです。』

 

 

「民間資格」を作る際のおおまかな流れ

「民間資格」を作る際のおおまかな流れ

『私も、2021年に、家のお片付けを指導する資格を、自分で作りたいんです。例えば「お片付けマイスター」と名付けましょうか。

 

『とても素晴らしいことですね!
民間資格を作る手順は様々で、正解は1つではありませんが、1つの手順の例として、上の表に私なりにまとめてみました

また、今年の7月に以下のような記事を書いていまして、多くのアクセスをいただいています。今回の記事をお読みいただき興味がありましたら、こちらも眺めてみてください。』

3分で理解できる。自分で『資格』を作る方法
by みぎのうで知財事務所

3分で理解できる。自分で「資格」を作る方法

 

民間資格。商標登録は必須ではありません

民間資格。商標登録は必須ではありません

『民間資格を作るとき、自由に命名して自分のブログなどで宣伝して、自由にスタートをしていいのか、それとも、国の機関などに届け出をしたほうがいいのか、何か必要な手続はあるのでしょうか?』

『民間資格を新たに始めるとき、以下いずれかの段取りを踏んでいらっしゃるかたや法人様が、多いのではないでしょうか。』

  1. 資格を作りたいジャンルにおいて、有名な”協会”、”法人”の承認を得て、資格が新設されていく
  2. 資格名を登録商標とした上で、その資格を新設する

『でも、個人が新しい資格を作ろうと思ったとき、「1」のように、そのジャンルで有名な協会などに、自分の考えた資格を承認してもらう、だなんて、とてもとても難しいんじゃないでしょうか・・・』

私もそう思います
個人事業主のかたや、小規模な法人様が、ご自身なり、自社なりに、資格を作ろうと思ったとき、既存の資格では物足りないからこそ、作るわけなので、そもそも、協会などに承認をしてもらって、資格を新設する、というのは、アプローチとしてはずいぶんな回り道と言えます。

ただし、「2」の商標登録ですが、必ずしも商標登録を経なければならない、ということはもちろんありません。

今日、えりなさんが、「お片付けマイスター」という資格を始める!と決意して、ひと息にWebページなどを設けて、明日から集客する、ということも、もちろん問題ありません。』

 

民間資格を商標登録する場合のメリット

 

『そうなんですね!じゃあ、「2」の資格名の商標登録をする場合の意義というか、メリットは何でしょうか?』

『パっと思いつくものは、”日本で唯一の資格名となる”という所でしょうね。
資格を何のために取得したいと消費者のかたが考えるか、と想像してください。

その資格を頼りに、困っているかたから、相談をされる

これを目指しているからこそ、その資格を得たい、と消費者のかたは考えるわけですよね。

そうすると、例えば、商標登録を経ずに、”お片付けマイスター”という資格名で始めたとして、次の日に、別のかたが、”片付けマイスター”という資格を宣伝し始めたり、また次の日に、別のかたが”お片付け認定マイスター”という資格を宣伝し始めたり・・・。

これだと、特定の資格のあるかたに、相談したいと考えるかたが、いったいどの資格が正解だったのか、つまり資格保有者であるあなたに、辿り着けないですよね?』

民間資格を商標登録する場合、メリット

 

『え?!
”お片付けマイスター”で商標登録を認めてもらえると、他人の”片付けマイスター”とか、”お片付け認定マイスター”とかの資格名も、防ぐことが出来るんですか?

『”お片付けマイスター”に類似する資格名であれば、それが商標権となれば、商標権の及ぶ範囲と言えます。類似しているかどうか、がポイントです。

類似する資格名が、乱立することのデメリットは他にもあります。

お客さんに間違われてしまうだけではなく、その資格名は、作ったばかりの頃は、価値がゼロに近いわけですよね。
だけど、その資格を保有する人が、確かな能力を持っていて、誰かの役に立つことで、その資格自体の価値が、少しずつ、高まっていくわけですよね?

じゃあ、1年かけて、えりなさんの”お片付けマイスター”が、少しずつ認められ、価値が高まってきたとしますね。
でも、その1年間で、類似資格、”片付けマイスター”を名乗る方々が、いつも、クレームだらけで、ひどい能力の方々だったとしたら・・・
消費者の方々は、だいたいまとめて、

「なんか、”お片付けマイスター”とかって名乗って、たいした仕事してくれないよね・・怒」

と、粗悪な類似資格のせいで、全く評判が上がらない、という事態になるんです。
これはレアなケースじゃなく、おちいりがちなケースです。

”お片付けマイスター”を商標登録さえ、していれば、このように、類似資格のせいで、自分たちの資格の価値まで落ちることなく、

その民間資格について、自分たちの思い描く方向に、適切に、価値を高めていくことができる

と言えます。これも、商標登録をすることの、大きな意義、メリットと言えます。』

 

 

民間資格の商標登録のための流れ

 

『民間資格を作る上で、商標登録を経ることの意義・メリットは理解できました。

でも、その資格を宣伝するためのWebページなんかは、それほど作るのが難しくなくても、商標登録をする、という時点で、なんか、とっても大変なことのように想像しちゃうんですが・・・』

『そんなことないと思います。
”民間資格を作りたい”と思われたときに、Webフォームでご相談いただければ、私から必要な質問をしていきますので、気付いたら、”商標登録の出願が完了している”という状態になっているんじゃないでしょうか^^

以下が、民間資格を商標登録したい場合のおおよその流れです。
なお費用は、出願から5年間の登録までで総額9万円ぐらいです(当所は)』

民間資格の商標登録のための流れ

『相談の前に、しておいたほうがいいことって、あるんでしょうか?』

『ある程度、具体的な資格の検討が始まっているようでしたら、だいたい以下を検討いただいてもいいかもしれません。

  1. どんな年代、性別のかたに資格保有者になってほしいか
  2. 何となく候補と考える資格名1,2個

 

ただ、”何から始めたらいいか分からない”という始めの段階でのご相談も多くいただいていますから、とりあえず相談をしちゃおう!というのでも、構いません。

お気軽にこちらからお問合せください。

5年前よりも、本当に、気軽にネット問合せをくださる人が増えたなぁ、という印象です。今はそういう、ネットで情報収集して、なるべく遠隔で問題解決していく、という時代なのかも、しれません。』

 

 

※…なお、「お片付けマイスター」は、サービス内容を名称化しただけに過ぎないため、本来はこれでは商標登録は認められません。ただし、時代と共にその基準は変動します。2012年に、”おかたづけマイスター”という商標が登録になっているようです。この”サービス内容の名称化”に関する記事も以下に紹介します。
「寄居とろとろナス」はどうして図案で商標登録されたのか?』byみぎのうで知財事務所

 

執筆:田村恭佑
(認知心理学×弁理士×経営コンサル)

記事をお読みくださり、ありがとうございます。

商標・知的財産、民間資格の設立、人間関係、これらで、ご相談いただけることがありましたら、是非お気軽に、こちらからお問い合わせください。近日中にご返信いたします。

みぎのうで知財事務所(代表 田村)

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