
こんにちは、経営コンサル×弁理士、田村です。
2020年は「コロナ」抜きでは語れない1年ですね。私の所には、コロナの期間、本当にたくさんの『資格を作りたい』というご相談をいただきました。
ありがとうございます。
以前も『資格を自社で作りたい。商標をどうしたらいい?』という記事を書きました(左記のタイトルも以下の画像も、その記事へのリンクにしてあります)

本当に多くのご相談をいただいているので、とっても久しぶりに、今回の『資格を作る方法』の記事を書きました。お読みいただき、読者の方々もいつでも気軽に、お問合せください。
資格づくり。まず何からスタートする?
『たむきょんさん。私、ダイエットのコーチを行う資格を、自分で作ることを考えています。
資格を作るとき、どんな流れで考えるといいですか?』
『資格を作る段階と、育てる段階に分け、今回は特に相談の多い、”作る”段階について、お伝えします!
資格を作るとき、おおよそ以下の流れで検討していくことになると考えます。』

- 資格を作るのは、何かを実現したいからですよね?
ダイエットをコーチできる人を、日本に1000人作りたい、などの目標でも構いません。
- ここはとても大切です。
世の中にはきっと似たような資格があります。
それでも資格を新設するということは、”他の資格との差別化”があるはずです。
あなたの作る資格は、特にどんなことを特徴にしますか?
- 資格取得を、だいたいどのような方にPRして、取得を目指してほしいか、を考えておくといいでしょう。
それによって、格式のある資格名がいいか、カジュアルな資格名がいいか、宣伝方法、など変わってきますね!
- ご自身で資格名を考えてもいいですし、ランサーズなどを活用して、有料で資格名を考えてもらってもいいかもしれません。
- いよいよ、その資格名を他の誰かに使われないように、そして誰かから、”その資格名を使用しないでください”と言われないように。
商標登録を目指すとよいでしょう。
資格を勝手に作って、違法とかではない?
『資格名を自作してしまって、法律に触れたりはしませんか?』
『ほとんどの場合、問題ないでしょう。ただし、すでにある国家資格や、商標登録されている資格と誤認させるような資格名は、避けましょう。避けたほうがいい資格名を以下にいくつか箇条書きします。』
- ”医師資格”や、士業などの資格と誤認を生じさせるような資格名
(例)ダイエット専門医、税務管理士
- 商標登録されている資格と類似する資格名
(例)登録商標「インテリアコーディネーター」に類似する「インテリアコーディネート検定」
『国家資格ではない、自作された資格、”民間資格”をいくつか列記します。聞いたことがあるのではないでしょうか。』

元々ある資格の保有者になることと、自分で資格を作ることの違い
『ダイエットのコーチ資格って探すといくつかありそうなんですが、そういうのを、取得して、すでにあるコーチ資格を自分が取得するよりも、自分で資格を作ったほうがいい点って、どういう点でしょうか?』
『既存の資格を取得して活躍することの利点もありますね。おおよそ以下が利点でしょうか。
- その資格の社会的な認知度にあやかることができる
- その資格取得のために必要な費用が、ほぼ明確である
- その資格に必要なスキルや経験が、すでに定められている
一方で、自分で資格を作ることの利点は、おおよそ以下でしょうか。
- 自分がその資格を名乗るだけではなく、他人の資格取得を推進できる
- 自分(たち)の努力次第で、その資格を魅力的なものに成長させられる
- 資格取得のためにこれまで支払っていた費用を、自分の資格を発展させることに回せる
- その資格に必要なスキルや経験を、自ら考え、決めることができる
』
『なるほど。つまり、自分がその資格で仕事をしたければ、既存の資格取得を目指すほうがよく、周りに資格取得を広めていくことを仕事にしたければ、自分で資格を作ったほうがいい、というイメージですね!』
末永く愛される資格は、他の資格と何が違う?
『民間資格の中でも、長く人々から愛されて、取得者が増えているような資格は、どういう点に特徴があるのでしょうか?』
『宣伝広告のチカラや、業界へのコネクションなど、様々な要因はあると思いますが、愛され続ける資格に共通する特徴は、おおよそ以下ではないでしょうか。
- 【重要】資格が名ばかりでなく、しっかりとした実力やスキルのつく資格である
- 世の中の多くの人が悩むことの解決に貢献する資格である
- 属人的な、職人を育てるような資格ではなく、しっかりと身に付けるべきスキルが、体系的に定められている
』
『つまり、どういう悩みに応える資格なのか、というのと、やっぱりその資格の中身が大切、ということですね!』
商標登録するだけで、資格の新設は可能?
『ここまでは理解できました。
ダイエットのコーチの資格名、”ロンジェビティ・ダイエット”にしようと思います。”長生きとダイエット”という意味です。
この資格名を商標登録すれば、本当に、民間資格と呼んでもいいのでしょうか?』
『面白い資格名ですね。もしその資格名で商標登録が認められるなら、民間資格と呼んでいいのではないでしょうか。
民間資格を作る手段は、大きく2つあると考えています。
- その業界で権威のある人とコネクションを持ち、業界団体にオーソライズ(公認)してもらい、発足する
- 自分自身(または自社)で、その資格名を商標取得し、その資格の内容を企画する
もし、この記事を読んでいる方の中に、新設しようとしている資格の属する業界の権威ある人とコネクションがあって、オーソライズしてもらうような相談が可能だというかたは、1を選んでもいいでしょう。ただし、1は、船頭多くして船山に上る、となることが多いと想像します。色んな人に気を遣わなければならないため、具体的に、その資格の内容を企画していくことは大変だ、ということです。
一方、そういうコネクションがなければ、やっぱり自身で商標取得を目指すほか、資格を新設する手段はないと考えています。
そして、たとえ1のコネクションで新設したとしても、類似する資格名を他人に使われないようにするためには、やっぱり商標登録は必要です。』
『なるほど。商標登録を目指すに当たって、資格名で気を付けたほうがいいことはありますか?』
『あります。それは、
その資格名が、単に、”資格内容を名称化したに過ぎないもの”でないように、独自性を持たせたほうがいい
ということです。例えば、ダイエットのコーチの資格だと、以下のような、その内容を表したに過ぎない資格名は、”識別力なし”という指摘を特許庁から受けてしまい、登録を得ることは難しいのです。
- パーフェクトダイエットコーチ
- パーソナルダイエット
- スローダイエットコーチ
その資格名のどこかに、独自性が込められているといいでしょう。
えりなさんの”ロンジェビティ・ダイエット”というのは独自性の込められた面白い名称ではないでしょうか。』
商標登録の費用は?
『資格名を商標登録しようと思ったら、だいたいいくらぐらいかかるのでしょうか?』
『申請(出願)と登録と2段階で費用が構成されます。だいたい1件10万円~20万円が相場と考えます。
当所を例に、費用を表にしました。』

(当所の商標登録の手続の料金は、最新の情報はこちらのページをご参照ください^^)
商標登録の流れは?
『”ロンジェビティ・ダイエット”という資格名を商標登録したいと思ったとき、だいたいどんな流れとなるのでしょうか?』
『おおよそ以下のような流れとなり、7ヶ月半かかるのが通常です。お急ぎの場合は、その旨を弁理士に相談されるといいでしょう。』

最後に・・・
『私なりに、今日の大切な内容を以下にまとめました!』
- 資格を自作するからには、差別化を考えよう
- 資格名はありきたりなものにならないよう、作ろう
- 民間資格の商標登録は安全に継続するためにも必要
- 資格は、何につけても、その中身が大切
『お読みになった方々も、これから資格を新設したい、新設したけど、商標登録にまで至ってない、などどのような段階でも構いません。
気軽にご連絡ください。(Webのお問合せフォーム。なるべく早くリアクションいたします)』
執筆:田村恭佑
(認知心理学×弁理士×経営コンサル)