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商標を取れば、”機能”を独占できるの?

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鈴木えりな 『先生!友だちから「機能の特徴を商標にして登録しちゃえば、その機能の製品、商品って、独占できちゃうんじゃない?!」と質問されてて、、』 たむきょん先生 『こんにちは。今日はすごい風だね。昨日は暖かい春二番、今...

鈴木えりな

『先生!友だちから「機能の特徴を商標にして登録しちゃえば、その機能の製品、商品って、独占できちゃうんじゃない?!」と質問されてて、、』

たむきょん先生
『こんにちは。今日はすごい風だね。昨日は暖かい春二番、今日は打って変わって北風だねぇ。東京は昨日より最高気温が10度も低い予報だって><。。』

鈴木えりな
『なかなか安定して暖かくはならないですね。こういう風だと花粉もすごそうですしね。
ところで先生。花粉と言えば、商標のことで友達から質問されて、返答に困ってしまって。教えてください・・』

たむきょん先生
『また、商標の会話が友達と出ている時点ですごいけど、どんな質問をされたんですか?』

鈴木えりな
友達が、空気清浄機のネーミングを考えたから、って相談されたんですが、そのネーミングが「花粉清浄機」なんです。「これを商標取得できれば、他の企業が、同様の”機能”を商品名にした製品を販売できなくなるから、商標なのに、特許ぐらい独占できちゃうんじゃない?!」と興奮してまして・・私、このことに返答できなかったんです』

たむきょん先生
『なるほどね。個人的にはこの清浄機が家にもオフィスにも欲しいけどね。
実際、こういう相談はよくあるんだよ。つまり「機能の特徴を端的に表すネーミングを商標で取れば、その機能を端的に表す商品名を他社が付けられなくなるから、実質的に、専売特許のようになるんじゃないか」ということですよね』

鈴木えりな
『はい、そういう意味の質問だと思います』

たむきょん先生
『えりなさんは、深く考えずに、直感ではどう思いますか?』

鈴木えりな
『う~ん、、、もし、私も空気清浄機の開発をしている会社に勤めていて、ライバル会社が、”花粉清浄機”って名前で商標取れてしまったら、、ちょっと納得いかない気はします』

たむきょん先生
『どうしてかな?』

鈴木えりな
『それは、、、商標とは、、その商品名の、オリジナリティ(識別力)を認めて、消費者が、他者の商品と間違えて購入してしまうことを、防ぐための制度、でもあるから、、、こんな、”花粉清浄機”みたいな、機能を表示した程度の商品名では、識別力なんて無いし、特定の企業や人に、商標を認めちゃ、ダメだと思うんです。
答えになってますか、、、?』

たむきょん先生
『すごい!
そういうことだよね。私も言い直すと、商標という制度は、ビジネスをする企業のための制度であると同時に、何かを頼りに物を買う消費者のための制度でもあります。
だから、商標というのは、誰かが物を買う時の、”目印”なんだよね。これが、ただ機能を端的に表しただけの商品名だと、”目印”にはならないよね。こういう商品名を、1つの企業に商標として独占させてしまうと、消費者もその機能を買おうと思ったら、いつも特定の企業しかその商品名を使ってなくて困るし、同業者も、商品名の付与に困ってしまうよね。
そういうことで、”その商品の機能を端的に表しただけの商品名は、商標登録できない”というルールになっています。機能だけでなく、産地や原材料なども同じです』

鈴木えりな
『いくつか、例を教えてもらえませんか?』

たむきょん先生
『実際、登録になってしまっているものもあるかもしれないけど、直感的に、列挙していきますね。

・炊飯器に「急速炊飯」
・ボールペンに「極細ペン」
・野球のバットに「チタンバット」
・サングラスに「紫外線カット」
・鯖江市で製造するメガネに「SABAE」
・スマートフォンに「最軽量スマホ」
・不動産のWebサイト名称として「世田谷マンションドットコム」
・カメラアプリ名として「レシピ用カメラ」 』

鈴木えりな
『なるほど~。それでは逆に、”花粉清浄機”を何としても商標取得したい場合は、先生ならどういうアドバイスをするんですか?』

たむきょん先生
それも、よくある質問です(笑) 「もう商品名として売り出してしまっています」というケースも多いですからね。
その場合、大きくは2つの種類の工夫を助言しています。

A ”花粉清浄機”にロゴマークを付して、商品名とセットで商標取得を目指す
B ”花粉清浄機”の文字自体をロゴ化して、その状態で商標取得を目指す

つまり”普通に用いられる方法”から脱却さえすれば、この指摘は受けないことになるからね。それでロゴ化、という助言となるのです 』

鈴木えりな
『AとB、それぞれもう少しイメージしやすいように教えてもらえませんか?』

たむきょん先生
『いいよ。今、とっさに手書きしたものだから、センスは不問でお願いね(笑)
下の図のAは上記の通り、「ロゴマークを付したもの」、Bはこれも上記の通り、「文字自体をロゴ化したもの」です

鈴木えりな
『おぉ、分かりやすいです!
これのどちらかでなら、”普通に用いられる方法”に当たらず、”機能を表示しているのみ”とは指摘されないのでしょうか?』

たむきょん先生
『そういうことになるね。例えば、Aで無事、商標登録になった場合、別のCさんが、ロゴマークを少し変更して「ロゴマーク+”花粉清浄機”』で商標を出願しても、あなたのAが”引例”となって、登録はされないと想像するよ』

鈴木えりな
『ありがとうございます!それでは、さっそく、お友達に、AとBの選択肢について、伝えてきます!
あ、でも、たぶん先生のAとBのセンスについては不問でね、と念を押しておきます!』

たむきょん先生
『・・・苦笑』

end

P.S.
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みぎのうで知財事務所(代表 田村)

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