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エルメス模倣品を売ると商標権の侵害か?

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エルメス(HERMES)の模倣品販売の経営者らが”著作権侵害”で逮捕   『先生!今朝、毎日新聞に、ヒルトンホテルの地下のショップで有名ブランドのエルメス(HERMES)の模倣品を販売していた経営者らが”商標権...

エルメス(HERMES)の模倣品販売の経営者らが”著作権侵害”で逮捕

 

『先生!今朝、毎日新聞に、ヒルトンホテルの地下のショップで有名ブランドのエルメス(HERMES)の模倣品を販売していた経営者らが”商標権侵害”で逮捕された事件が載っていました』

 

 

 

『あらあら・・そうですか。』

 

最近よく耳にする『商標権の侵害』

『そういう、有名ブランドの商品の模倣品を販売して、”商標権の侵害”で逮捕される、ってどういう意味なんでしょうか?』

 

 

『私も、知的財産の勉強を始めたばかりの頃は、どうして模倣品販売が商標権の侵害で逮捕?!と疑問に思ったことがあったよ』

 

『私の勝手な感覚だと、”商標権の侵害”って、”ちょっとした出来心”だったり、”つい、うっかり”みたいな印象なんです。だから、”商標権の侵害”とだけ認定されたのでは、そんなに大きな犯罪のように感じないと言いますか・・』

 

 

『分かる!!(笑)(と言っても不謹慎ですが、、、)”ちょっとマークを真似た程度”みたいな印象があるよね。商標権の侵害って。悪意がない人までそれに該当する可能性もあるしね。知らずに侵害していた、みたいな』

 

 

『エルメスの模倣品をこっそり販売するなんて、”すごい悪事”のように思うんです。そんな犯罪が、結局は”商標権の侵害”にしかならない、って、なんかやるせないです・・』

『うんうん。そう感じるときはあるかもね。じゃあ、もし、”商標法”が無かったら、、こういう”スーパーコピー”をどんな罪として取り締まるかな?
もしくは、”有名だけれど、商標権になっていないブランド”が模倣されたような場合も同じだよね』

 

『え、新年まだそんなに頭が働いていないのに、急な難問・・・知的財産の勉強をすると、時々耳にする”不正競争防止法”とかでしょうか・・』

 

 

『うん、そうだね。今の日本の法律だと、商標という制度がないか、もしくは商標を取られていない有名ブランドの模倣品を取り締まろうと思うと、”不正競争防止法”という法律で、あてはめるしかないんだよね。でも、不競法だと、”自分のブランドが周知であったり、著名であったりという点が認められるか、不明確”という、けっこう不安定さをはらんでるんだ』

 

『そうなんですね。じゃあ、自己のブランドが、他者に模倣されないようにするためには、やっぱり”商標”をしっかり取ったほうがいいんですね』

 

「登録商標」は持ち主と消費者のためのもの

『模倣されるかもしれないぐらい市場に浸透しているブランド主の企業は、商標を逐一取得していくことは、かかせない活動の1つだね。エルメス社を調べたら、日本で約300件も商標を取得しているんだよ!』

 

『300件・・・そんなに色々なロゴ、ネーミングを持っているんですね。驚きです』

 

『あと、冒頭では、”商標権侵害は、軽い罪なのでは”というニュアンスのやりとりをしたけど、実は、どんどん厳罰化してきているんだよ。それだけ、有名ブランドの模倣品を販売する行為は、ブランド主に被害を与えるだけではなく、模倣品を間違って買ってしまう多くの消費者にも被害をもたらす行為だからね。
10年前までは、商標権侵害は、5年以下の懲役か、500万円以下の罰金か、それら両方だった所、10年前に改正されて、今は10年以下の懲役か、1000万円以下の罰金か、それら両方、と厳罰化しています』

 

「商標権の侵害」を法人ぐるみで行っていた場合

『じゃあ、”出来心”じゃ済まされない重罰なんですね。。例えば、会社ぐるみで商標権侵害した場合は、懲役ってあてはまらないと思うんですが、、』

 

『ごめんごめん、説明し忘れた。会社ぐるみ(法人ぐるみ)で商標権侵害をした場合は、その張本人には上記の刑罰が科されて、会社自体には、なんと、なんと、、

3億円

以下の罰金が科されるんだよ』

 

 

『ひぇ~~~。それは、、ますます出来心なんて言ってはダメですね><。。 あの、、例えば、エルメスで有名なバッグ、”バーキン”なんかを、形状だけ真似て、ロゴマークを付けずに販売したら、どうなるんですか?

 

有名ブランドの形状だけの模倣

『えりなさん、良い視点での質問が多いね。その場合は、ロゴやブランド名を真似てないんだから、商標権侵害には当たらず、不競法のほうの違反かどうか、だよね。
どれだけ、そのバッグの形状自体に、顧客吸引力があるか”で、犯罪かどうか、判断されるんじゃないかと思います。例えば、輪郭や皮の素材はなんとなく似ているけれど、2つのバッグを横に並べた時、全然別物だったら、不競法の違反にも当たらないんじゃないでしょうか』

 

『そっか、分かってきました。ロゴにしても、ブランド名にしても、その商品自体の形状にしても、”有名ブランドの顧客吸引力”に、”タダ乗り”しようとしてるかどうか、が問題なんですね!』

 

『その通りだね。(特許などになっていれば、構造自体にも、意味が出てきますが、、)』

 

 

(画像は、毎日新聞のニュースサイトより引用 )

end

 

記事をお読みくださり、ありがとうございます。

商標・知的財産、民間資格の設立、人間関係、これらで、ご相談いただけることがありましたら、是非お気軽に、こちらからお問い合わせください。近日中にご返信いたします。

みぎのうで知財事務所(代表 田村)

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