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連載(2)令和流!小学生スポーツの指導者<指導者と選手は、”対等”だと強く認識しましょう!>

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小学生のスポーツの指導に携わる方々、保護者の皆様に、問題提起をさせていただき、最終的なゴールは、スポーツに取り組む全ての小学生の方々に、健全なスポーツの環境を指導者皆様と築き上げられたら幸いです。第2話は、第1話同様に、大前提を解説したく、『指導者と選手は、”対等”だと強く認識しましょう!』という内容です。

本職:経営コンサルタント・弁理士・人材育成・人間関係メンター。

この4月から:少年野球のコーチ。

全ての経験を通じて、現代の『最も理想とする小学生スポーツの指導』について、連載をしたいと考えています。

答えではなく問題提起です。

小学生のスポーツの指導に携わる方々、保護者の皆様に、問題提起をさせていただき、最終的なゴールは、スポーツに取り組む全ての小学生の方々に、健全なスポーツの環境を指導者皆様、保護者皆様と築き上げられたら幸いです。

第1話で、

『パワハラ指導は、チームの強さにも、個人の成長にもマイナスしかもたらさない』

という課題認識が皆様と共有できたものと考えております。

第2話は、第1話同様に、大前提を解説したく、

『指導者と選手は、”対等”だと強く認識しましょう!』

という内容です。

 

小学生向け地域スポーツの”起源”

最近めっぽう減ったようですが、もともと地域の自治会の「こども会」で、地域のちょっと詳しいパパたちが、こどもに、スポーツを教えた、のが、地域スポーツチームの起源ですね。

だから、本来は「1つの町に1つのチーム」があったのが、少しずつ少子化や、たくさんのスポーツへの子供の分散により、「1、2つの小学校に1つのチーム」と姿を変えていったんですよね。

つまり、地域スポーツでは、

  1. 指導者役 = 地域のちょっと詳しいおじさん・お父さん
  2. 選手役 = 地域の、そのスポーツが好きで、興味がある子供たち
  3. つまり、『スポーツを教えてほしい子供たちのために、地域のおじさんたちが力を貸す形』

という構図が、時代が変わっても不変であることを、まずは念頭に置いていただければ幸いです。

この構図を大人が無視してしまうと、必ず、形がいびつになり、関わっている人の頭に『?』が増えていきます。

 

なぜ一部の指導者は、選手に”上下関係”を強いるのか

『うちのチームは、元プロ選手が指導に当たってるよ?地域のおじさんじゃないよ』

と読みながらお感じになったかたもいるかもしれません。たとえ元プロ選手が教えていても、『上下関係』は、大人が押し付けるものではありません。

なぜ、一部の指導者は、根強く地域スポーツやクラブチームにおいて、”上下関係”を強いようとしてしまうのでしょうか?

私が見ている中では、以下のように分析しています。

  1. ”上下関係”をハッキリ押し付けておいたほうが、指導がラクだと錯覚
  2. ご自身が子供の頃、何かのスポーツで、”上下関係”があって当たり前だったので、それを疑っていない
  3. 教える側は当然偉い、教えられる側は当然下、という先入観がある
  4. 社会(家庭)でなかなかバッチリと部下(家族)を手なずけられていない分、土日や余暇で、自分の”権威”を実感したくなってしまっている
  5. 分かりやすさや、技術のポイントに気付かせる能力に自信がないから、上下関係を発動させている

 

”上下関係”を強いる深刻な弊害

前の章で「元プロ選手が指導に当たっている」場合も、”上下関係”は不要、と申しました。

地域のおじさんであっても、元プロ選手であっても、指導者が、選手に上下関係を強いることの、深刻な弊害は、以下の通りです。

  1. スポーツの論理や技術の常識は、研究されることでここ20年で大きく変わっている。選手のほうが自然と理解している場合がある。
  2. 選手が漠然と疑問に思うこと、正しいのではないかと思うことを、上下関係により、踏み潰すことになる。結果、選手が自ら「こういう方がいいんじゃないか?」と、考えることも、恐れずに指導者にぶつけることも、しなくなってしまう
  3. 選手が疑問を大人にぶつけなくなると、そのスポーツだけではなく、日々の生活や学習の場でも、「教えられることが必ず正しいと信じればいい」と、「問題発見能力」が完全に無くなってしまう
  4. そういう選手が大人になり社会に出ると「より良いやり方」を自ら考える能力が全くなく、イエスマン」「のれんに腕押し新入社員」になってしまう
  5. 練習の現場で、本当は身体に違和感があるのに、その手法を継続することに不安があるのに、上下関係を押し付ける指導者に正直に相談できず、結果、重大なスポーツ身体障害になってしまう。二度とそのスポーツで、ベストな状態でプレイできなくなってしまう

もし、上下関係が当たり前だと思ってらっしゃるかたが、読んでくださっている場合、上記1~5は、思い当たることが、たくさんあるのではないでしょうか・・。

それでも、”上下関係”の押し付けを、辞められないでしょうか・・・

誰の、何を、守ろうとしているのでしょうか・・

 

ビジネスでは上司と部下は、本当に”上下関係”か?

『そうは言っても、ビジネスでは、上司と部下は、明らかな”上下関係”があるじゃないか。上下関係は必要だ』

と、おっしゃるかたはいるかもしれません。

私は、ビジネスの場であっても、”上下関係”は、不要だと考えます。

経営コンサルタントとして、数十社様の、社長から部下全てのかたに一貫して、そのようにご助言してきました。(そういうご助言に切り替えてからのほうが、企業の業績が安定し、昨今深刻な”離職率”も大幅に減りました)

この記事で前述した『役割分担』という考え方を、思い出していただければ幸いです。

企業において、上司の役割は以下です。

  1. 分かりやすく部下に仕事を下す
  2. その仕事に最後の責任を持つ
  3. 仕事1つ1つの良し悪しを、分かりやすくフィードバックする
  4. その連続で、部下を自分と同じ能力まで引き上げる

次に、部下の役割は以下です。

  1. 上司の仕事を奪うこと(自分たちで出来ることをなるべく自分たちでやる)
  2. 上司に、その上司にしか出来ない仕事に集中してもらう方法を考えること
  3. 上司の要求を細かく察知し、次の仕事では更に、自分の仕事を改善する
  4. 最終的に上司の分身のように、仕事ができるように成長すること

これらは、上司・部下、それぞれの立場がゆえの、完全なる「役割分担」です。

どちらが偉い、下っ端、という話ではありません。

だから、上司も部下も「お互いの職域で、ベストを尽くす」ことのみが、仕事なんです。

そこに、上下関係を発動すると、部下は、自分の職域を自立的に考えなくなり、

『上司の言うことにだけ、従っていればいい。従わらないと怒られる。』

という、マインドになってしまいます。

このマインドを植え付ける上司は、その部下の人生100歳まで全て責任を持てる場合を除いて、『大罪』であると、強くご認識をされたことがよろしいかと存じます。

 

(参考)元メジャーリーガー吉井理人現投手コーチ『最高のコーチは、教えない』

この書籍のタイトルから誤解してしまいそうですが、「教えない」というのは、練習中に技術を教えない、という意味ではありませんでした。

「試合中に、ああしろ、こうしろ、と教えない」

という意味で、

「選手が、何を選ぶか選択できる指導を」

と説いています。

吉井さんも、この書籍で、

「コーチは偉くない。対等だと思おう」

と、はっきりと説明しています。

私の連載でも、時々引用すると思いますが、素晴らしい書籍なので、ぜひ買って、読んでみてください。

以下をクリックするとAmazonのページに飛びます。(私に収益は入りませんから、宣伝ではありません)

「最高のコーチは、教えない」/吉井理人

 

「ハッ」と目が覚めたかた、今日から上下関係を一切忘れましょう

スポーツにおいての、役割分担は、以下です。とってもシンプルなんです。

 

  • 指導者:地域でスポーツや文化を豊かにするべく、自分がちょっとだけ詳しいことを、地域の子供たちに還元する
  • 選手:純粋な気持ちで、自分が興味のあるスポーツなどを、周りに教わって、極めていく。その楽しさを周りに伝播する

 

いかがでしょうか。

まとめますと、

  • ビジネスでもスポーツでも、当たり前のようだと錯覚する”上下関係”は実は一切不要なんです。むしろ弊害です。
  • 指導者は、先生でも神でも何でもなく、偉くもないんです。ただの『ちょっと詳しい近所のおじさん』なんです。
  • 選手は、自分がやりたいスポーツを、やりたいようにしたいから、今、そのスポーツに通っているんです。
  • 選手の「もっとこうしたほうがいい」、「もっとこうしたい」という、尊いモチベーションを奪う権利は、誰にもありません。あるとしたら、その選手が死ぬ瞬間まで、世話をしてあげると、当人と固く約束しあっている関係である場合のみ、です。

 

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

ただですね、読むだけで、明日からまた「上下関係」を発動しようと、しないでください。

どうか、明日から、いや今日から、金づちで自分の頭を強く打つような深い決意で、「上下関係」の一切を捨て、余計なプライドを捨て、

『俺(わたし)は、ただの、ちょっと詳しい地域のおじさん(婦人)だ』

と、深くご自覚ください!!

今変わらないと、一生変われません!!

 

 

執筆:田村恭佑
(人間関係メンター×弁理士×経営コンサル)

 

 

記事をお読みくださり、ありがとうございます。

商標・知的財産、民間資格の設立、人間関係、これらで、ご相談いただけることがありましたら、是非お気軽に、こちらからお問い合わせください。近日中にご返信いたします。

みぎのうで知財事務所(代表 田村)

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