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商品名を無断で真似されたら、まずすべき3つのこと

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鈴木えりな

『先生!友達がAmazeenでネット通販をやっているんですが、最近、自分の商品名で検索をすると、赤の他人に、そっくりの商品名でほとんど同じ商品を販売されてしまってるそうなんです!』

たむきょん先生
『おはよう。ちょっと風邪気味で、今日は本調子じゃないんだ、、ごめんね、テンションが低く感じたら・・・』

鈴木えりな
『大丈夫ですか?乾燥もしていますし、風邪が流行ってますもんね。無理しないでくださいね!じゃあ、相談もまた今度にします!』

たむきょん先生
『大丈夫だよ、お気遣いありがとう。テンション低いのだけ許してくれるなら。』

鈴木えりな
『分かりました。ありがとうございます。えっと友達の玲ちゃんって子が、1年前からAmazeenで、自分でデザインした携帯用ストラップを、”スマホっぷ”という自分で命名した商品名で販売してるんです。そしたら、先月ぐらいから、その”スマホっぷ”で検索をすると、全くの赤の他人が、”NEWスマホっぷ”という商品名で、玲ちゃんのデザインしたストラップにソックリな商品を売り出してるそうなんです。しかも、けっこう売れてるようで。でも、口コミ評価は低いらしいんですけど。

たむきょん先生
『なるほどね。本当にそういう相談が多いのが現状だよ。知的財産の世界で仕事をしている私からすると、いつまで経っても、このような他人の知的財産にあやかるような悪事が無くならなくて、切なくなるよ。』

鈴木えりな
『そんなに多いんですか?!』

たむきょん先生
『結局、”商標を取りたい”という相談の”入り口”の30%ぐらいは、”模倣され始めちゃった”というものだよ。(本心では、模倣される前に相談して欲しいんだけどね)』

鈴木えりな
『先生!玲ちゃんには、何てアドバイスすればいいでしょうか??』

たむきょん先生
『そうだね。それでは、”他社(他人)に、自社商品名が模倣されてしまったら、まずすべき3つのこと”として、以下にまとめるから、参考にしてもらってください。』

<他社(他人)に、自社商品名が模倣されてしまったら、まずすべき3つのこと>

【1】対象となる商品名が、誰かの登録商標ではないか、チェックする

まず「模倣」に当たるかどうか、は、もともとの商品名が自分だけのものである必要がありますよね。つまり自分に「模倣を止めて!」と言えるだけの「権利」があるかどうか、が重要です。もし、例えばその商品名が「その模倣者か、別の他社(他人)の、登録商標」だった場合は、模倣しているのは逆に「あなた」のほうになってしまい、その商品名の使用を止めなくてはいけないのは「あなた」のほう、ということになってしまいます。
もしくは、その商品名が、例えば「スマホストラップ」というように、ほぼ「一般名称」であるような場合は、あなたも他社も、その名称を自由に使っていいと言えますので、この登録商標ではないか、のチェックと同時に、「そもそも、一般名称ではないか」という点も、チェックしてみてください。
※なお、特許庁の提供する検索サイトで、既存の商標の有無はざっと調査は出来ます。その方法を別の記事で説明しているので、ご自身で調査したい場合は、こちらの記事を参照してください。

【2】すぐに、商標出願を検討する

上記の【1】の結果、まだそのネーミングが誰の登録商標でもない場合、そして、その商品名が一般名称でもないと考える場合は、模倣を始めている他社に取られてしまう前に、すぐに「商標の出願」を私ならオススメします。模倣をしている本人も、同様の商品名がAmazeen上に存在することは、もちろん知っています。つまり、本格的に模倣品を自社商品として売り出したいと考えたら、商標を先に出願されてしまう可能性もあります。通常の、「商標を取ってみたいんですが、、」という動機以上に、スピードが求められると思います。
更に言えば、「早期審査」という制度の利用も、弁理士さんに相談されるといいと思います。通常は、出願から約6か月で登録となりますが、早期審査が認められれば、約2か月で登録となる可能性もあります。

1つ、残念なことを言わなければなりませんが、商標を持っていなければ、その商品名を模倣する他者(他人)の行為を、止めることは非常に難しいと考えて、間違えないと思います。例えば、通販サイトの運営者へ、「うちの商品名が模倣されています!」と通告したとしても、その運営者は、「どちらが模倣者なのか」の判断が難しいですよね。販売開始のタイミングだけで決められる問題でもないと思います。更に、法律上で、このような模倣行為を止める方法があるか、と聞かれたら、一応は、あります。例えば、オリエンタルランドが経営をする「ディズニーランド」という、誰もが知っている千葉県のアミューズメントパークがありますよね。当然、商標登録されているのですが(商標権は、ディズニー エンタープライゼズ インクが保有)、仮に、商標登録されていなかったとしましょう。その場合、全くの他社が、例えば神奈川県に「ディズニーランド」というアミューズメントパークをオープンしたとしても、オリエンタルランドは、「不正競争防止法」という法律に基づき、この神奈川のディズニーランドのオープンを差し止めるよう、裁判所に訴えることは十分に可能です。これが可能なのはそのネーミングが、オリエンタルランドのものとして、周知であり、神奈川の模倣のディズニーランドと「混同が生じる」からです。
ただし、例えばあなたの商品が、「周知」であり、模倣品との間で「混同が生じる」ことを、裁判所に認めてもらうことは、至難です。
こう考えると、商標権を持っていなければ、他人の模倣について、「自分の既得権の侵害だ」と主張することは難しいのが現状です。

【3】通販サイト運営元に、模倣の通告をする

通販サイトの運営元も、もちろん、正しく商売してくれている出店者を応援したく、逆に、模倣者を排除し、通販サイトの品質自体を保ちたいと当然に考えています。出願が完了した時点では、まだ商標権者ではなくても、「先願」という立場はおそらく得ています。「登録となったあかつきには、模倣業者の出品を差し止めてほしい」という主旨の通告を、私なら出願と同時に行うことをオススメします。
通販サイトの運営方針によっては、「出品者同士の争いは、出品者同士でお願いします」という姿勢の所もあるかもしれません。往々にして、通販サイト自体が、出品差し止め等の措置を取るには時間がかかります。梨のつぶて、というケースもあるそうです。そういう意味では、もし、模倣者に連絡が取れるならば、直接、内容証明などで、その商品名が自社の出願中商標であるから、商品名を変更してほしい旨の「警告状」を弁理士さんと相談して出品者にも直接送ったほうがいいと考えます。
(ただし、”出願中です”というよりも、”登録商標です”というほうが、当然に抑止効果は高まります)

たむきょん先生
『どうかな?上記、お友達の玲ちゃんにとって、参考になるかな?』

鈴木えりな
『はい!!体調が悪い中、テンションを感じさせない説明、ありがとうございました!!』

たむきょん先生
『えりなさんも言ってたように、模倣品は、消費者からの評価が低いんでしょう?なおさら、その模倣品の悪評が、玲ちゃんの商品の売れ行きにも悪影響がないように、早くその模倣行為を止めさせたいところだね

鈴木えりな
『ホントですよね!!』

※たむきょん自身も、積極的に商標の相談に乗っております(本業ブロガーではございません)
⇒お気軽に連絡をくださいね!(事務所概要はこちら

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記事をお読みくださり、ありがとうございます。

商標・知的財産、民間資格の設立、人間関係、これらで、ご相談いただけることがありましたら、是非お気軽に、こちらからお問い合わせください。近日中にご返信いたします。

みぎのうで知財事務所(代表 田村)

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