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DeNAの件に学ぶ、ブログやまとめサイトの上手な書き方

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(画像はDeNA公式HPより引用)

12月7日頃からでしょうか、佐野研二郎さんのエンブレム問題ぶりに「知的財産の模倣」がニュースとして大きく取り立てられるようになりましたね。
ざっとそのニュースの概要を書きます。
・例えば専門家などがブログや記事としてWebサイトに投稿・掲載していた文章があり、
・他人がそれらをほとんどパクって、俗にいう「まとめサイト」に掲載するような行為が昨今横行していて、
・記事の原著作者が問題視し、問題が大きく取り立てられ、
・まとめサイトの運営元であるDeNAは、そのまとめサイトを閉鎖するに至った
(また、医療情報のまとめサイトについても、その内容の信ぴょう性が問われました)

弁理士の私から見ますと、「DeNAだけの問題ではないのでは・・?」と”今更感”を感じてならないのですが、ただ、”良い知的財産を生み出せる人”が居ないと、知的財産の業界は発展していかないため、”良い知的財産のオリジナルを創れる人”を応援したい立場としては、このように、”知的財産上のモラル”が問題視されることは、大変に嬉しいことです。

では、個人的なブログや、まとめサイトは、どのように上手に運営・執筆していけばいいのでしょうか?
商標ではなく「著作権」が主なテーマですが、以下に私なりにまとめます。


鈴木えりな
『まとめサイトって、その性質上、ネットに”玉石混交”に上がっている様々な情報や記事を、ニーズごとに親切心からまとめてあるもの、というイメージがあります。これって、情報が欲しい人にとっては有難いですし、違法性って小さいんじゃないでしょうか。』

たむきょん先生
『商標女子だと思っていたら・・著作権にも興味があるんですね(おじさんは嬉しいですよ・・)
私も、まずはそう考えたくはなります。消費者にニーズがあるから、ブームになっていることの1つだよね。ネットでの情報の探し手にとっては、あちこち検索しないと欲しい情報が手に入らないところ、このように、色々ある情報からテーマ別に有益な情報を1つにまとめてくれていたら、消費者にとっては1つのまとめサイトで、欲しい情報がまとめて手に入り、とても助かるよね。
そういうニーズがあるんだから、著作権の侵害と言ってしまっては、酷(こく)なんじゃないか、ってね』

鈴木えりな
『そうそう!!でも、”じゃあ、えりなさんが、自分が一生懸命書いた記事が、気付いたら、全くの他人のまとめサイトにそのまんまパクられていて、えりなさんの記事のあるブログには訪問されずに、そちらの赤の他人のまとめサイトでのみ、情報を読まれていたら、えりなさんはどう思う?”と、たむきょん先生なら質問してきそうですね。』

たむきょん先生
『(笑) 年末になって、えりなさん、神(かみ)ってるね。僕の文章、短くなっちゃうよ。その通りだけど。えりなさん、どう思う?』

鈴木えりな
『うーん。自分の書いた情報が、それで多くの人に読んでもらえるなら、それでも光栄かもしれないけど・・』

たむきょん先生
『じゃあ、えりなさんは、その記事を書くことでお金稼ぎをしていたとしたら?つまり、えりなさんのブログへの訪問者数や、そこでの広告表示が、えりなさんの収入だとしたらどうかな?
さらに、、そのまとめサイトでは、執筆者であるえりなさんのお名前も出てこなかったら?』

鈴木えりな
『う・・。それだと、私、記事を書いても、生活できないことになりますよね。。名前も消されちゃうと、その記事でファンになってくれる人もいないわけですしね。それは、胸中おだやかじゃありません><。。』

たむきょん先生
『更に更に、そのまとめサイトの執筆者は、人の有益な記事をコピペで集めて、サイトへの訪問者数を”荒稼ぎ”して、収入を増やしているとしたら、どんな気持ちになる?』

鈴木えりな
『ありえないですね。だって、もともとの記事を書いた人が尊重されるべきなのに、その執筆者の立場や収入がないがしろにされて、ただ記事を探して無断でコピペして活用している輩だけが、ファンを集めて、収入も増やすことになるわけですもんね』

たむきょん先生
『そういうこと。私もえりなさんと同じ感情を持つと思うよ。著作権って、少しあいまいな法律だと僕は思っていて、知的財産権というよりも、”肖像権”などの、個人の感情や人格が尊重される法律だと思っています。』

鈴木えりな
『そうなんですね。今回、DeNAの運営の在り方を問題視するべき、ニュースだったのでしょうか。』

たむきょん先生
『重要な視点だね。今回のDeNAのニュースは、一般人には教訓が少ないように思ってしまっては、もったいないと思う。DeNAの、”サイトの監視機能や自浄機能”が、今回反省点だったとは思うんだけど、冒頭に書いた通り、DeNAのまとめサイトなんて、”氷山の一角”で、今や、ブログやまとめサイトで、著作権侵害なんて、あちこちに散見されるよね。僕なんて、気持ち悪くなることすらあるよ。』

鈴木えりな

『では、先生、私は、どういうことに気を付けて、まとめサイトや自分のブログを将来作っていけばいいんでしょうか?』

たむきょん先生
『以下、いくつか、気を付けるべき視点をまとめてみるね。参考にしてください。』

(1)書きたいことは何か

その記事で、自分が書きたいことを明確に意識してから書き始めることが肝心です。
その時に、書きたいことが、”他人のブログで書かれていることの書き写し”ではないことを、自問自答してから書き始めるといいかもしれません。

(2)引用の割合

どうしても、他人の記事の、ある素材やコンテンツが必要だと判断をした場合、そのコンテンツが、自分の記事にとって、”1割程度の価値・量”であることを意識するといいかもしれませんね。”1割”のコンテンツを9個集めて、結果”9割”が他人のコンテンツになってしまった、というのもNGです。あくまで、”自分なりの執筆”が9割で、”他人のコンテンツからの引用”の総計が1割以内であることが理想だと私は考えます。

(3)引用の仕方

上記の続きですが、どうしても必要で引用をした他人のコンテンツは、どうしても必要と思えるぐらい重要な”著作物”です。だから、その著作物に十分に配慮をして、出所や原著作者を明示したり、ここは引用ですよ、と明示したり、することが大切だと思います。やり方は、1つではありません。自分なりに工夫してみてください。

(4)最後に読み返す

1つの記事を書いたら、公開する前に、もしくは公開した直後に、もう1度読み返す癖をつけてください。この記事は、自分の著作物と胸を張って言えますか?この記事を、参照したコンテンツの原著作者が読んだ時に、”パクるな!”と言われないと断言できますか?この辺りを念頭に、しっかりと改めて読んで、必要なら、もう1度記事を修正しましょう。

(5)ブログで頻繁に見られる著作権違反の例

NG TV画面を写メって、ブログに載せて紹介している
NG 雑誌や新聞記事に、自分の関心事が載っていると、それらのスキャンや写メを載せている
NG 本の一節や、有名なミュージシャンの歌詞を、抜粋して転記している
NG 他人のツイッターの文章を、なんとなくツイッター投稿画面っぽくして、そのまま転記している

鈴木えりな
『なるほど、、また、ブログを始めたら、上記を参考にしながら、書いていってみます。ありがとうございました!』

end

 

記事をお読みくださり、ありがとうございます。

商標・知的財産、民間資格の設立、人間関係、これらで、ご相談いただけることがありましたら、是非お気軽に、こちらからお問い合わせください。近日中にご返信いたします。

みぎのうで知財事務所(代表 田村)

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