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結局、スクリーンショットは違法にならない??

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こんにちは。 3月6日頃、政府が著作権法の一部改正案を国会提出する見込みであると報道がされました。 しかし結果的に、1週間で、その改正案提出は見送りとなりました。今回、そのことについて、分かりやすく記事にします。 &nb...

こんにちは。

3月6日頃、政府が著作権法の一部改正案を国会提出する見込みであると報道がされました。

しかし結果的に、1週間で、その改正案提出は見送りとなりました。今回、そのことについて、分かりやすく記事にします。

 

この記事の要点

 

  1. 著作権法の一部改正案が、国会へ提出される見込みだった。
  2. これまで、「違法アップロード」と知った上でのダウンロードは、音楽と映像のみが対象物だった
  3. 改正案は、その対象の著作物を、漫画、論文、小説など、「あらゆる著作物」に広げる予定だった
  4. 利用者が、違法アップロードと知った上で、その画面をスクリーンショットしたとしても、違法に当たる予定
  5. しかし、「利用者が臆病になり、著作物のネット利用を妨げるのではないか」と業界から反発があった
  6. そこで、3.4.に書いた改正案の国会への提出は、見送られた

  7. スクリーンショットが違法になる可能性も、お預け

 

著作権法はどういう改正を予定していた?

『先週、報道があったと思うのですが、もう1度おさらいで、著作権法は、どういう一部改正を予定していたのでしょうか?』

『大きくは以下の通りです(こちらの記事でも先週、解説しました)

  1. 「違法アップロード」と知った上で、利用者がダウンロードしたら”違法”に当たる著作物は、これまで、「音楽」と「映像」だけだった
  2. しかし音楽や映像のみならず、漫画や小説の海賊版サイトが多くのアクセスを得ており、被害総額も、1つの海賊版サイトのみを取っても数百億円と言われている
  3. そこで、「違法アップロードと知った上での利用者のダウンロードを”違法”」とする対象の著作物を、漫画、小説、論文、写真、など”あらゆる著作物”に拡大する
  4. ただし、”何度もダウンロードをしている人(企業)か”という視点で、刑事罰の適用は判断
  5. 違法アップロードと知った上でのダウンロード、には、それらの著作物のスクリーンショットを撮る行為も含まれている

 

なぜ、「待った」が掛かったの?

『思い出してきました。
それだけ読むと、正規に著作物を購入して利用したい、という行動の促進に繋がり、他人の著作物でお金儲けする海賊版サイトの撲滅に繋がって、一見ハッピーな改正だと感じるのですが・・・』

『そうだね。今回の一部改正の、最大の目的意識は、”海賊版サイトの撲滅”だったようですね(報告書より)

そうすると、今回の改正案は、少しでも海賊版サイトの撲滅に貢献するように私も感じました』

『なら、どうして、”待った”が掛かったのですか?』

一部の漫画家団体や漫画家さん、作家さん、政治家のかたが、以下のような心配を表明したそうです。

  • 漫画や小説の海賊版にまで、違法の対象を広げると、それらの利用者が、ダウンロードなどや利用そのものに臆病になってしまい、結果的に、漫画や小説のネットユーザーを減らしてしまうことにつながるのではないか
  • 漫画家の中には、”漫画そのもの”の海賊版を避けたいものの、図版や記事などは、ネットで利用者が居てもいい、と考えている人もいる。あらゆる行為(違法アップロードと知った上でのダウンロード)を違法としてしまうと、漫画家さんたちにとっては、ファンを増やしにくい状況を招く可能性がある

 

「慎重派」には、どういう誤解があるの?

『うーん。議論が”物別れ”な印象もありますが・・・
たむきょんさんは、どういう考えを持っていますか?』

『法律を改正するということは、左にあるものを、右にする、という変更をするわけですから、これまで左のほうが良かったのに、と”慎重”を願う人や、左や右じゃなく、斜め上がいいんじゃないか、と”折衷”を求める人、これらは必ずいます

じゃあ、有識者の方々が長い年月(と税金)をかけて、法改正を検討していく中で、”慎重派”と”折衷派”の気持ちをないがしろにしてきたか、というと、報告書を読む限り、そんなことをなさそうですよ(´ー`)

ひとえに、そういう明確な説明がない中で、報道だけが独り歩きしてしまって、一部の漫画家さんや政治家のかたに、誤解を招いてしまったのではないか、と私は思うんです。』

『”誤解”って、具体的には、どういう点でしょうか?』

有識者の方々のまとめた報告書の中で、”誤解”の解消につながりそうな箇所を以下にまとめますね。

  1. まず、ネットユーザーの”委縮”(いしゅく)につながるんじゃないか、というのは、とても慎重に議論をしたようです
  2. そこで参考にしたのが、6年前に、音楽や映像の違法アップロード物のダウンロード自体を違法とした改正で、この6年間で、音楽や映像のネット利用者の”委縮”があったのか、です(6年前も、利用者の”委縮”への心配の声があった)
  3. すると、全く萎縮どころか、この6年間で、更にネットでの音楽や映像の利用者が増えている
  4. 漫画や小説でも、同じ予想ができるだろう
  5. 万が一、それでもネット利用者による”委縮”が見られるようなら、その時に”折衷案”を再度検討すればいいのではないか

 

田村の見解

『なるほど、、この辺りが、しっかりと反対派の方々に伝わっていたら、また動きは変わったのかもしれませんね。』

『それでも、大切な動きです。やっぱり、たとえ、決まりそうなことが正しいことでも、著作権などに関心の強い団体や、まさにそのど真ん中で活躍されている方々にとっては、”俺たちの事前の意見もしっかり聴いてね”という気持ちがあるんだと思うんです。パブリックコメントは集めるにしても、今回、少し年度末ということだったのか、手順が拙速だったのかも、しれません。』

『最後に、たむきょんさんの考えを教えてください』

『以下に箇条書きしますね!

  1. 法改正というのは、”大枠”を定めること。一部の例外を設けていきたい場合は、例外ルールを設けて、1つ1つの著作物に、その例外を示すことで、十分に、例外ルールを作っていくことが可能です(例:クリエイティブ・コモンズ
  2. 法改正見送りで”してやったり”と思ってらっしゃる作家さんもいれば、改正を心待ちにしていた作家さんも間違いなくいると思います。全ては、”正規のルートで、購入するネットユーザーを、増やしていくことが大切と、私は思います
  3. 近い将来、今回、慎重派だった方々の意見を踏まえた上で、やっぱり、著作物全般の違法アップロードのダウンロードの、違法化は、決定すると考えます。つまり、私たちユーザーは、”どういう行為が著作権法違反なのか”という、正しいモラルと知識を身に着けた上で、ネットでどんどん著作物利用を図っていく、ということが求められると思っています

執筆:田村恭佑
(弁理士/経営コンサルタント/人間関係メンター)

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