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Amazonで横行する模倣や便乗への正式な対抗措置

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Amazonや楽天市場などで他人の権利を侵害することなく正しくネット通販を行っている法人・個人のかたはとても多いと存じます。 その一方で、他人の商品に便乗したり、模倣品を海外で安価に製造したりして、Amazonや楽天市場...

Amazonや楽天市場などで他人の権利を侵害することなく正しくネット通販を行っている法人・個人のかたはとても多いと存じます。
その一方で、他人の商品に便乗したり、模倣品を海外で安価に製造したりして、Amazonや楽天市場で”粗悪品”を販売してしまっている個人・法人がいるのも事実です。
そこで、当所(弁理士事務所)に寄せられるご相談を通じた、これらの行為に対する”正式な対抗措置”を簡潔に解説します。

 

Amazon、楽天市場も正当な権利者を守ってあげたい

『私の友達が、Amazonでネット通販していたら、全く知らない業者に、ほとんど同じ商品をAmazonで売り出されてしまって、困っています。』

『遅れましたが、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
昨年(2018年)から、そのような当所へのご相談は急増しています。困ったものですね。海外の工場に、他社の有名な電子機器などを郵送して、”これを作ってほしい。いくらで卸せるか?”と問い合わせするような行為が、横行しているようです。海外の工場なだけに、罪を助長している意識は無いのでしょうね・・』

『Amazonは、そういう模倣行為、便乗行為に、対処してくれないのでしょうか・・』

『いいえ、決してそんなことはありません。何度か担当者のかたとやり取りしたことはありますが、とっても誠実でクレバーで、迅速な対応をしてくださいます。つまり、Amazonや楽天市場だって、正しく販売されている製品だけを、サイトに残したい。模倣された商品や侵害品、粗悪品は排除したい。それは当然持っている心情なんです。』

 

商品名の模倣、便乗を辞めさせたい場合

『友だちの販売する商品は、歩数計付きの腕時計で、商品名が”今日から歩いて健康!ウォッチ“です。他人もその商品名に便乗する形で、勝手にそのAmazonの販売ページに、”他の出品者”として、名を連ねているんです。友だちがデザインして完成させた商品なのに・・』

なるほど・・よくある模倣の方法ですね。ただ、もしお友だちが、その商品名の”商標”を取得していない場合は、その他人の行為は、必ずしも、模倣、とは言い切れません。Amazonや楽天市場も、”出品してくれる業者あっての通販サイト”のため、一方的には、模倣と決めつけないよう、慎重に判断しています。

『うーん、友だちは、商品名をまだ商標登録はしていないと思います。確か。』

『それなら、本当に、その他人の模倣行為を止めたければ、まずは、”今日から歩いて健康!ウォッチ”の商品名の商標登録を急ぎましょう。その時、ロゴなどとセットではなく、“商品名をテキストとして”商標登録することをお薦めします。Amazonでは、“ブランド登録”という制度があり、これは、”テキスト”だけではなく、”ロゴ”でも、現在は認められています。楽天市場も、近い判断をするのではないでしょうか。
もし、お友だちの商品名が、例えば”歩数計付き腕時計”など、独自で考えた商品名ではなく、機能を言い表したに過ぎない商品名の場合、商標の制度上、”テキスト”として商標登録を得ることは出来ないので、”ロゴ”で商標登録を目指すか、もう少し、独自なネーミングに変更した上で、商標登録を目指しましょう。』

『分かりました。それで、晴れて、商品名が、商標登録となった場合、その後は、どうしたらいいのでしょうか。』

Amazonでも、楽天市場でも、出品者が、自身の商品名の模倣を、通報するための窓口が用意されています(Amazonの窓口、楽天市場の窓口)。そちらで、商標登録証(登録番号)や、模倣品などを示していきます。

もっと重要な説明は”侵害の根拠”という欄です。非常に専門的な説明を書きます。

認められれば、おそらく2-3日で出品取下げかNGかの判断をしてくれると思います。後述しますが、専門的な手続きでもありますので、当所は代理するサービスももちろん行っています。』

 

商品の形状そのものの模倣・便乗を辞めさせたい場合

『友だちいわく、便乗だけじゃなくて、商品名だけ変えて、友だちのデザインした腕時計を、そっくりそのまま、別商品として販売している他人もいるそうなんです・・・』

『それも、実は最近多い、被害です。時計のデザインなどですと、”意匠登録“をした上で、侵害行為を通報する、というのが、もっとも正式な方法ですが、さすがに、手軽な、商標でさえ取得していないのに、意匠も、取得していないですよね・・?』

『はい・・。その場合は、デザインを模倣されている行為を、辞めさせることは出来ないでしょうか?』

『いいえ。昨年も実際に”著作権”という観点で、模倣行為をAmazonに辞めさせてもらうことが出来ました。まず、”自分のほうが先に創作をして、販売をしている”という事実は、とても重要なため、それを、著作権を管轄する”文化庁”に認めてもらいます。その後、”原簿の写し”というものが取得できるので、それを証拠資料として、Amazonや楽天市場の侵害の通報窓口に示していきます(Amazonの窓口、楽天市場の窓口)。

こちらも、最も重要なのは、「侵害の根拠」という説明欄で、非常に専門的な説明をしていく形です。
模倣業者の行為を止めるか否か、2~3日で判断してもらえると思います。
(なお、”たまたま類似するものを作ってしまったかどうか”という判断基準も忘れてはいけません)』

著作物って、本来、”登録制度”じゃなく、作った時点で、生まれる権利だと思うのですが、文化庁への登録を要するのでしょうか・・』

『はい。えりなさんのおっしゃる通り、作った時点で生まれる権利ですが、Amazonにしても楽天市場にしても、先に販売している業者も後から販売している業者も、どちらのことも、大切にしたいはずです。そこで、“客観的に自分が著作権者であり、相手が模倣者と疑われる”という事実を伝えない限りは、後発者の販売行為を止めることは、しづらいと思います。専門的なので、これも、当所の代理サービスを次章で後述します。』

 

当所によるサービスのご紹介

『商標という観点からの対応も、著作権という観点からの対応も、自分で出来るでしょうか?』

商標は特許庁、著作権は文化庁、それぞれへ提出する書類作成や印紙の支払い、証拠資料の取り寄せなどありますから、ご自身で出来ないことはないですが、何度も出し直しをさせられたりして、”その分のエネルギーを本業に充てたほうがお金は稼げる”と、きっとお感じになると思います。
弁理士である当所が代理しても、慣れないときは何度も書類の出し直しを指摘されましたから・・(苦笑)』

『もし、たむきょんさんの事務所にその代理のサービスをお願いしたとき、だいたいどれぐらいの出費になるのでしょうか?』

『期間も気になると思うので、期間も補足していきますね!

  1. 商標を取得し、侵害品を辞めさせる場合
    ・商標取得の申請(印紙代込み):約4.7万円
    ・商標の登録決定時の手続き(印紙代込み):約4.6万円
    ・その後、Amazon等の通販サイトでの通報:約5~8万円
    (特許庁の審査に、約7か月を要します。早々に対応したい場合、早期審査を特許庁へ申請する、という方法もあります。約2ヶ月で審査結果を得られます。その場合+約2万円)
  2. 著作物を登録し、侵害品を辞めさせる場合
    ・著作物の文化庁への登録手続:約4万円
    ・登録後、原簿の写しの取得:約1万円
    ・その後、Amazon等の通販サイトでの通報:約5~8万円
    (文化庁の審査に、約1ヶ月を要します。通報は、その後すぐに可能です)

(今回の解説では、Amazon等の通販サイトを通さず、直接、内容証明による警告などを通じて権利行使を行うという対抗措置については、省略しています)

『たむきょんさんの解説で、模倣に対しての手立てがしっかりある、泣き寝入りしなくてもいいんだ、ということがよく分かりました!友だちに伝えます!』

(冒頭のアイキャッチ画像の背景は、Amazonトップページより引用)

記事をお読みくださり、ありがとうございます。

商標・知的財産、民間資格の設立、人間関係、これらで、ご相談いただけることがありましたら、是非お気軽に、こちらからお問い合わせください。近日中にご返信いたします。

みぎのうで知財事務所(代表 田村)

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