
一昨日、
「Google検索でホームページやブログにたどり着いて」
とメールが。
その後、お電話などで話をし、どうも自社の知的財産権を侵害されている、ということ。
1年間、そのことで悩んでいたとのことでした。
昨日、対策の全体像を提案し、実際に対策を打ち、無事、本日、解決に至りました。
「1年間ずっと悩んでいたことなので、本当にありがとう」
と言っていただいたのですが、嬉しい反面、どうも、モヤモヤ~っとした気持ちが晴れないのです。
そのことを、経営コンサルタントの視点で、本日は手短に記事にします。
ご相談のざっくりとした内容
守秘義務がありますから、ざっくりとしたことしか、書けませんが、概ね以下がご相談でした。
- 通販している商品が模倣されていることに気付く
- 意匠を創作し、登録意匠を取得することにした
- 登録までの約1年間、創作した意匠もずっと模倣され続けている
- 模倣を止めたいが、どうしたらいいか分からないため、Google検索で、当所にたどり着く
1年間悩まれていたことが、2日間で解決
ご相談いただいた時、わざわざ弁理士を探されたのですから、意匠はてっきり、自前で取得されたと思ったんですね。
そこで、じっくりお話を伺うと、どうやら、いくつかの間違いに気付いたとのこと。
- 取得すべきは、登録意匠よりも登録商標だった
- 販売する商品の本質的な価値を、見極められていない
- 1年かけて、登録意匠を取得したものの、どういう手順で問題解決するかは、白紙だった
私は、お話を伺ったあと、これまでのたくさんの問題解決の経験から、「問題解決までのストーリー(青写真)」を描いて、お見積りと共にご提案しました。
それで問題ない、とのことなので、急いで、問題解決に着手しました。
その過程で、どうやら、意匠登録の手続きは、自前ではなく、弁理士さんに依頼をされた、ということが分かりました。
しなくてよい苦労をすることになった関係者
私が着手してから2日で、問題は解決したので、お客様から、
「1年間ずっと悩んでいたことが、2日で解決した。本当にありがとう」
と言っていただいて、お客様からの「ありがとう」のために、お仕事をしているので、もちろん、素直に嬉しいです。
しかし・・
なんか、モヤモヤするんです。
私が取った行動により、しなくてもいい苦労をした競合他社がいましたし、お客様だって、1年前に、しっかりとした対応を弁理士さんなり専門家から提案してもらって、その通り、解決策を取っていれば、1年もの間、模倣に苦しまなくても、良かったと考えます。
結局、1年前に、ただ、仕事を横流し的に、対応した弁理士さんのせいで、苦労をしなくてもいい関係者たちが、あちこちで苦労することになったわけですよね。
今回の私による「問題解決」というのは、全員にとってハッピーな結末ではありませんでした。
専門家を、どう活用することが正しいのか?
本来は、私と同じように看板を掲げる弁理士さん、士業のかた、経営コンサルタントなどの他の専門家の方々に、
お客様の根本的な課題と、真摯に向き合う姿勢
を、再考いただければそれが1番です。
しかし、世知辛い世の中です。客からお金さえもらえればいい、自分の専門分野はここだから、ここで、受注しようという姿勢、これらは、多くの専門家で、日常茶飯事に見られるものではないでしょうか。
だから、この記事をお読みの皆様に、お願いしたいところです。
それは、
私たちが、弁理士など、専門家をどう活用すればいいのか、その術をしっかり身に着けましょう
ということです。
これは、
身体の調子が悪いから病院に行って、自分の症状や悪因を、医者にどう説明をするのが適切か?
ということに非常に近い考え方と思います。
例えば、ですが、以下は、専門家に相談する際に、はっきりとすり合わせをしたいところですね。
(順不同)
- 解決した上で得たい、理想の状態はどういう状態か?
- 最短で、問題解決する方法はどれか?
- 自社の落ち度、改善すべき点はあるか?
- 自社は、法に反したことをやっていないか?(知的財産権の侵害など)
- この問題の解決に当てられる予算感
- 初めての相談から、問題解決までのストーリー
上記がすり合わなかったり、対応能力や態度に不安を感じた場合、目の前の専門家に固執せずに、ほかの専門家を探しましょう。
たまたま紹介されたから、知り合いに士業の人がいるから、、このような流れで、貴社の大切な問題解決を、委ねないことをお薦めします。
最後に
ある経営コンサルタントに相談をしたら、お金ばかり取られたけれど、肝心の、問題解決には至らなかったから、もうコンサルを使うのは辞める、ですとか、弁理士は、話もしっかり聴いてくれない、経営センスに欠ける、と、諦めてしまう前に、一度、当所/当社にご相談いただけませんか?
世の中は、Win-Winが理想です。全員ハッピーが理想です。
しかし、ご相談のタイミング次第ではどうしても、Win-Lose(片方が勝ち、片方は負ける)になってしまうこともあります。
多くの場合、
「早期に、適切な問題解決の手段を取ると、Win-Winになりやすい」
と、私は経験則上、感じています。
執筆:
田村恭佑
(経営コンサルタント/弁理士/人間関係メンター)